あなたは何の香りにノスタルジーを感じますか?

あなたは何の香りにノスタルジーを感じますか?

香りと記憶とは切っても切り離せない関係です。

 この匂いを嗅ぐとあの風景を思い出すとか、この香水を嗅ぐと元カレ、元カノを思いだすことなどなど。個人的にはジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーの香りを嗅ぐと、高校時代の寮生活を思い出します。野球部の寮で生活していた時に、就寝前に先輩のマッサージをする際に、必ずこのベビーパウダーをしてからマッサージをしていたあの辛い日々が思い出されます。

 近年は記憶のメカニズムや回想法などの観点から、ノスタルジア=なつかさに関する研究が盛んにおこなわれています。そして、そのノスタルジアの引き金となるものとして、写真や風景、音楽と並んで香りがあげられます。特に、音楽は聴いていた頃の想い出がフラッシュバックのように蘇ることがあります。

 大阪産業大学の山本准教授をはじめとした3名が行った“日本のノスタルジアを喚起させる匂いの研究”が行われました。その調査では20代と70代の計400名に対して”あなたは何の香りや匂いになつかしを感じるか”を尋ねたところ、20代で最も懐かしを感じる香りとして、”線香”、“畳”、“タンス”と回答しました。一方で、70代では“母”、“畳”、“赤ちゃん”。20代が感じるノスタルジーは、両親と田舎に里帰りした際に、墓参りや法事などの記憶が線香の匂いとともに思い出されるのかもしれませんね。

注目すべきは、20代と70代ともに、ノスタルジーを感じるものとして“キンモクセイ”の香りを上位に挙げている点です。

最近はあまり見られない気がしますが、自分もキンモクセイは子供のころ、トイレの芳香剤としてよく使用していたし、通学路の脇に咲くキンモクセイの香りは思い出深い香りといえます。

what is the Nostalgic Odor for Japanese People?:A Research of the Odors that Evoke Nostalgia.