世界の4大果実といえば、カンキツ、バナナ、リンゴ、ぶどうです。これらの果実類の総生産量は4億2千万トンでこのうち、柑橘類が約35%を占めています(FAO2017年統計)。 日本人にとっては、みかんやハッサクなどと並んで、馴染み深いものがゆずではないでしょうか。ゆずの主要生産地は高知県、徳島県、愛媛県にわたる山間地域で全国生産量の約80%を占めており、ゆずの魅力と言えば、ゆず湯など日本人にとって文化的に馴染み深い点や香りの爽やかさが挙げられると思います。一方で、その機能面でも最近注目されています。
沢村名誉教授(高知大学)の“くらしの中のゆずの機能性”によると、ゆずにふくまれる成分に発がんの抑制効果が期待されるとあります。強い発がん性物質であるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)は、ハムやソーセージなどの加工食品やタバコの副流煙にも含まれてることが知られています。そのNDMAの生成は現代人の食生活の中では避けて通れないものかもしれませんが、沢村名誉教授の研究では、MDMAを含む食品とビタミンD,E,フラボノイドなどの含む野菜を一緒に摂ることでNDMAの生成を抑制し、結果としてガンの誘発を軽減する効果の可能性を指摘しています。沢村名誉教授が28種類の柑橘精油においてのNDMA抑制効果を実証したところ、スダチやレモン、ライムなどの抑制効果である50%と比べると、ゆずの精油は約80%のNDMAの抑制効果がありました。
ガンといえば、日本人の2人に1人が患う現代病です。近い将来、画期的な治療法や予防薬が出来ることを期待したいです。